HERMESは、東北大金研が日本原子力研究所改3号炉のガイドホールのT1-3ビームホールに建設した、150本の3He検出器を持つ高能率中性子粉末回折装置で、特に磁気構造解析を得意としています。年間のべ約70グループがHERMESを用いて実験を行なっていて、すでに多くの優れた論文が出版されています。 HERMESは高能率かつ高分解能の粉末回折実験を行う事を目的としており、短時間での測定、少量試料での測定が可能です。従って、 多数の試料での連続測定 作成が困難な微少量の試料の測定 非常に弱い磁気散乱測定 多数の温度での連続測定 などの場合でも、高品質の詳細な情報が短時間で得られます。これは全体のマシンタイムが不足している現状を考えれば重要な特性といえます。 X線では困難な酸化物の結晶構造決定では特にHERMESは有効で多くの成果を上げています。さらに、広いQ領域を一度に測定できることから、単結晶試料での散漫散乱測定や、液体、アモルファスのS(Q)測定にも適した装置です。この回折装置により、磁性体研究、材料研究などの分野で大きな役割を果たすことができると考えています。 また、HERMESはだれにでも使える装置である事を重視し様々な配慮をしていますので、中性子の経験のない研究者にも有効に使っていただけます。 |
"HERMESの得意な事とできない事" "装置の詳細" "どんな実験が行われているか:採択課題" 出版論文リスト 学会等の発表 HERMESは全国共同利用に供されていて、公的機関の研究者ならだれでも実験する事ができます。 "HERMESへの課題申請の仕方 (申請方法、申請書の書き方の注意、Vegaとの違い) |